進化の系譜〜どの系統もエキスパート!〜

全てのいきものは同じ祖先から枝分かれするように種類を増やしてきました。
太い枝がどんどん分かれていき、細かい枝が広がります。
近くにある枝のグループほど互いに近い祖先を持っているわけです。

全てのいきものの系統をまとめると木のような形になることから、この図を「樹形図」、
もっと大それた言い方だと「生命の木」とも呼ばれます。

動物はキノコなどの菌類と親戚で、植物とはずいぶん離れているのですね。

この図では太い枝の部分しか載せられていませんが、
当然「動物」というカテゴリーの中にも無数の枝が存在し、グループを作っています。
この記事ではその動物のなかのカテゴリー別に、何に秀でたグループなのかを解説していきます。

動物に絞ってみましょう

動物界と呼ばれる大グループの中には、一体どれくらいの枝が存在するのでしょうか?


こうして見てみると、我々脊索動物の仲間は小さな枝に属しているのですね。
脊索動物棘皮動物(ヒトデ、ウニ)が近い仲間だって知ってました?
併せて「新口動物」といいます。

脊索動物は私たち人間やカエル、爬虫類、魚、変わったところではホヤの仲間を含むカテゴリーです。
まさに花形、大型化と機動力のエキスパート!

そして棘皮動物はヒトデやウニ、ナマコなどが所属するグループです。
海底を這い回り、有機物を根こそぎ食べる“掃除”のエキスパート!
というか“食欲の塊”!
 

節足動物のグループも有爪動物などが所属しています。
「脱皮動物」とよばれるカテゴリーです。

節足動物はエビの仲間、昆虫、クモ、ムカデ、などを含み、
地中から深海から空にまで、さらには動物に寄生したりとか、
とにかく凄まじい進化・環境適応能力のエキスパート!

扁形動物、環形動物、軟体動物もひとつのまとまったカテゴリーです。
書ききれていませんが、他にも沢山のグループが所属しています。
「冠輪動物」と呼ばれます。

軟体動物はイカの仲間や貝の仲間。
イカの仲間は殻を体内に隠したり退化させたりして、機動性に特化。
貝の仲間は殻を強化して装甲を強化。
つまり防御・運動能力両面に進化の道を見出した両刀使い!

対する環形動物はミミズ、ヒル、ゴカイの仲間。
地味に思うかもしれませんが、生態系を根底から支える縁の下の力持ち!

扁形動物は他のグループに比べるとなじみが薄いかもしれませんが、
プラナリア、コウガイビル、サナダムシなどが所属するカテゴリーです。
真っ二つに切断しても再生したり、むしろ二対に分裂したり、
頭さえ残っていれば全部再生したりと、恐るべき再生能力のエキスパートです

海綿動物刺胞動物は動物としては原始的なグループ。
同じカテゴリーに属するというわけではないようです。

海綿動物は最も原始的な動物と言われます。
とにかくじっとしていて動くことが出来ず、せいぜい繊毛を動かす程度です。
動物界の最古参、省エネのエキスパートですね

刺胞動物はクラゲやサンゴの仲間。
こちらも原始的な仲間で、同じく省エネな動物です。
一個の卵から孵った個体がどんどん分裂して増えていくので、個体という概念ってなんですか?となるグループ。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
動物はそれぞれのグループごとに特化したものがあるのですね。

次回からは各グループを事細かに見ていこうと思います。