カメノテ

名前の意味はずばり「亀の手」。
露出している部分が亀の脚にそっくりに見えるのでこの名前が付きました。
フジツボに近い仲間で、同じように岩に固着して生活している甲殻類です。

雌雄同体ですが一匹だけで子供を作ることは出来ません。
隣の個体から精子を貰うことで子孫を増やす戦略です。
子供のころはプランクトン生活を送り、その後岩に張り付いて変態します。

亀の手

カメノテは触手のような脚(蔓脚)を出して水中のプランクトンを捕らえます。

干潮で潮が引いてしまうと空気中に露出してしまうので、蔓脚を硬い甲殻で保護しています。
その甲殻が亀の爪のように見えるわけですが、この部分は他の甲殻類で言う背甲にあたるそうです。
つまり、背中がぱっくり割れて触手が出てくる??

なんだか他の甲殻類と体の構造が違いすぎてイメージが湧きませんね。

食べられるよ

上の写真は磯で見つけたカメノテの死骸。

固い殻の下に亀の腕のような“柄”があるのがわかりますね。
この柄の表皮を向くと、肉質の部位が現れます。
その部分は食べることが出来、噂によると結構おいしいらしい…
グロテスクに見えますが、そのまま煮てもダシが出ておいしいとの事。

その味は、“カニと貝の中間の感じ”だそうです。
興味のある方は召し上がってみてはいかがだろうか?

食べる際の注意点。

というより、まず採取が難しい。
水のきれいな海域の磯に行けば驚くほどたくさんのカメノテが生えています。
が、岩に強固に張り付いている為、剥がすのが大変です。
市場で売っているものは値も張り、それにしては食べる部位が少ないのでかなり割高に感じるかも。

また、フジツボも含めた蔓脚類の仲間は海の汚れを体にどんどん蓄積してしまう性質があるため、
汚い海で採取したカメノテは食べないほうがよさそうです。