ハンドウイルカ
鯨偶蹄目 マイルカ科 ハンドウイルカ属
水族館の人気者で、「バンドウイルカ」とも言います。
最近はバンドウイルカと表記している水族館も多いようです。
世界中に分布するイルカなので、イルカといえばこのハンドウイルカを思い浮かべる人がほとんどだと思います。
2013.6 愛知・名古屋港水族館 by 南波瑛人
とても頭の良い生き物で、仲間とコミュニケーションをとって集団で狩りをします。
ある種の言語が存在するらしいのですが、人間とは言語体型がまったく違うので翻訳は不可能だとか。
とはいえジャスチャーなどを理解することができる為、人間ともある程度のコミュニケーションがとれます。
芸を仕込んだりして、世界中でショーを行っています。
エコロケーション
ハンドウイルカに限らずクジラの仲間は、特定周波数の音波を発生させて、
その音の反射で周りの様子を探っています。
クリック音とも呼ばれるこの音は、漁船が使うソナー(魚群探知機)のような役割をします。
陸上でもコウモリなどが使用しますね。
これを、エコロケーションといいます。
エコロケーション意外でも、仲間と意思疎通を図ったりするのに音は利用されます。
水中でもよく響き、かなり遠距離からでも音を感じるそうです。
2010.8 愛知・名古屋港水族館 by 南波瑛人
コミュニケーション能力や、高い身体能力を生かして、イルカショーの主役になることも多いハンドウイルカ。
“見世物”として使われているようなので反感を抱く人も少なくないのだとか。
しかし、実際は運動させることでストレスの発散に役立っているといいます。
それに、水族館で管理する為には健康診断が必要不可欠。
尾びれに触れたり注射を打つために、トレーニングは切って切れないのだそうです。
驚くことに、ある個体に教えたはずの技を別の個体が覚えたりするようなので、
やはりイルカ同士で会話をしたり、教えあったりしているのかもしれません。
意外な一面
ハンドウイルカは、人間を利用することもあります。
海外の話ですが、人間が浜から投網漁をしている際、イルカたちが沖から魚をかき集めてくれることがあるのだそうです。
これは当然イルカ側にもメリットがあるからなのですが、
浅瀬に追い込まれた魚たちは人間とイルカの挟み撃ちになるわけで、より効率よく狩りが出来るのです。
人間とイルカの共同作業、というより人間をイルカが利用している、と捉えることも出来るでしょう。
ハンドウイルカは非常に狡猾なハンターだといえます。
また、ハンドウイルカは通常群れを作って行動していますが、その群れの中で頻繁にいじめを行うそうです。
特定の一個体に狙いをつけて、集団でちょっかいを出すという残酷な一面もあるのです。
また、交尾の際には相手を長い時間愛撫してから挿入するなど、ヤらしい一面も持ち合わせています。
こう考えると、あのかわいらしいイルカが、とっても腹黒く見えてきますね(汗)
当然ですが、好奇心旺盛で、船の起こす波に乗って遊んだり、遭難者を助けてくれることもあり、
プラスのイメージになるような性格も色々持っています。
イルカって奥が深い。