ドクターフィッシュ(ガラ・ルファ)

ガラ・ルファ、なんて言われて何の動物かわかりますか?

聞きなれない名前だと思いますが、このページを見ている時点でわかってますよね。
所謂ドクターフィッシュです。
古い角質を食べてくれるという魚です。

ちなみに「ガラ」という魚の中の「ルファ」という種類、という意味ですので、本稿では「ルファ」と呼ぶことにします。
ペットショップだと「がらるーふぁ」と呼ばれていたりします。

ガラ・ルファは西アジアの淡水にすむコイの仲間です。
吸盤のような口で岩に張り付き、表面の藻類や微小生物を食べています。

普通は河川に暮していますが、
トルコにある温泉地では温泉が川と繋がっていて、温泉の中にもルファが入ってきます。
その地域の個体群は入浴している人間の角質を食べることが知られています。
古い角質を取り除いてくれるので、現地では皮膚病に良いとされ、
ドクターフィッシュと呼ばれるようになりました。

日本でもドクターフィッシュの名前で販売されていたり、足湯に放されていたりします。
高水温に強く、37度くらいまでは耐えるといわれています。

どくたーあぁあふぃっ…くすぐったい…あふっ

高温にも耐えられる丈夫な体を持つ為、温泉が混じる河川にも暮すことができます。
しかし、そういった環境では餌が少なく、ガラ・ルファたちは仕方なく温泉に入る人間の角質を食べます。


ちなみにトルコの温泉の映像を見ると、ガラ・ルファ以外にも魚が泳いでおり(しかも結構でかい)、
皮膚をついばんでいるのが確認できます。
ルファの口は吸盤状になっており、物を舐めとるような摂食方法をとるので、
角質を食べられてもくすぐられるような感覚があるだけです。
他の魚に皮膚をついばまれたときは場合は多少痛いかもしれません…(汗)

日本でもフィッシュセラピーに用いられることがあります。
その場合、2週間ほど餌を与えず、空腹状態のガラ・ルファを使います。
満腹だとわざわざ不味い人間の角質なんか食べません。
彼らにとってもまさに苦渋の決断なのかもしれませんね。

もっとも人間にとっては古い角質を落としてくれる、
いわばエステをしてくれるようなものです。

トルコではガラ・ルファのいる温泉が人気で、格好の観光資源になっています。
と、同時にガラ・ルファが国外に持ち出されていることは良く思っていないようです。
ルファの貴重な生態の保護の意味も含めて、国外への輸出を規制しようという動きもあるようです。