カの仲間
痒くなる記事ですので注意!
この記事では所謂“蚊”と呼ばれる昆虫のうち、吸血性のものを取り上げたものです。
(ほとんどカ科そのものと捉えていただいてかまいません)
蚊の仲間は吸血するイメージが強く、人間の血を食べていると思われがちですが、
実際は血液に含まれるたんぱく質を使って卵巣や卵の栄養にしているだけです。
食事とは別物と考えたほうがいいでしょう。
逆に言えば血を吸うのはメスだけということであり、
オスは食事をほとんど取らす、水や少しの花蜜で生きています。
ちなみに触角がブラシのようになっていてふさふさに見えるのがオス、
真っ直ぐなのがメスです。
水中では掃除屋、空中では吸血鬼
蚊の幼生、つまりボウフラは水中で生まれます。
水中といってもちょっとした水溜りであれば十分育つことが出来ます。
そして、水に溜まった有機物を食べて大きくなります。
いわば、水中の掃除屋というわけです。
羽化して成虫になってからは、知ってのとおり大変な嫌われ者です。
幼虫も嫌われますが、魚のえさとして使えたりするのでまだ利用価値はあるかも…
…にしても、この写真は実は自分の部屋のカエル水槽なのですが、
ボウフラが爆埴したときはあせった。
あの惨状を、ぜひとも生で見せてやりたい(キモ)
ちなみに放置していたら羽化しやがりまして(当たり前)、
それが最初の写真で手に持っている蚊です。
もちろん僕の手で殺害しました。
血を吸われて痒くなるわけ
蚊の仲間は体の成長を先に完了させて、卵巣の成長を後回しにするそうです。
つまり、幼虫から成虫になった時点では卵巣が未発達ということです。
成虫の口はストローのようになっている為、普段は草の汁なんかを吸っています。
が、それでは糖分は摂取できてもたんぱく質が摂取できません。
これ以上体を成長させる必要ないオスはそれで充分ですが、
卵を育てるのにメスはどうしてもたんぱく質が必要です。
その結果選んだ行動が吸血というわけです。
蚊が血を吸うとき、いきなり吸おうとしても血液がうまく流れてこないので、
いったん自分の唾液を流し込んで吸いやすくしてから、その後唾液と一緒に血液をすすりとります。
この唾液にアレルギー反応を起こし、かゆみと腫れが引き起こされるわけです。
なので、逆に言えば最後まで吸血させてやったほうが、唾液も吸い取られていくのでかゆくなりません。
吸血を中断すると、唾液がそのままになっているのでかゆくなります。
とはいえ、蚊は少しでも危険を感じると吸血をやめて飛び去ってしまうので
完全に吸わせきるのは容易ではありません。
あえて叩かずに置いたのにかゆみがやってくるのはそういうわけです。
写真の個体は腹部が赤くなっています。
これは直前に血を吸った為です。
あ〜、っていうかこれ僕の血なんですけどね?
直後に羽音で飛び起きた僕の手によって殺害されました。
僕はヒトスジシマカに刺されても割とすぐにかゆみも腫れも収まっていくのですが、
このアカイエカに刺されると酷く腫れ、かゆみも収まりません。
アカイエカが特別強力というわけではなく、たぶん体質によるものだと思います。
色々なカ
アカイエカ家の中でよく見かける、憎たらしいアイツです。 |
ヒトスジシマカ屋外でよく見かける、憎たらしいアイツです。 |
ここまで読んでくれた方
痒くなりそうな文章の中、お付き合いいただいて有難うございます。
最後に豆知識をば。
“カ”という漢字は“虫”に“文”と書きますが、これはブンブンと飛ぶ虫だからだそうです。
夜中にアカイエカの羽音で起こされた人も多いのではないでしょうか?
寝ている人間は無防備なので、存分に血を吸う事が出来ます。
アカイエカは夜中に活動し、そうしたシチュエーションを狙っているのです。
あ、やばいムヒがない…