セミの仲間

夏にジリジリという暑苦しい鳴き声をたてるセミたち。

特撮ヒーローウルトラマンの名敵役・バルタン星人は、実はセミがモデルだといわれます。
(前番組のウルトラQで使われたセミの怪人の着ぐるみを流用した為)
その他ポケットモンスターのモンスター(ツチニン系、パラス系)のモデルに使われていたり、
童話「アリとキリギリス」は、元々は「アリとセミ」だったり、
古くからとても馴染み深い昆虫であることがわかります。

最大の特徴はなんと言っても鳴き声。
あの鳴き声はオスがメスを呼ぶ声だと言われます。
オスの腹部は空洞になっていて、筋肉の振動音を反響して増幅させる役割があります。

羽化を終えたセミは精一杯に鳴いて、相手を求め、交尾をし、短い命を終えて夏と共に去っていくのです。

…短い命?

セミはとても寿命が短くて、1週間くらいしか生きられないんだって。
だから一生懸命鳴いて急いで繁殖しないといけないんだね。

…なんてよく言われますが、これはまったくの勘違いであって
セミという昆虫は昆虫の中でも異常に長生きする種類なのです。

セミは木の幹に卵を産み付けます。

アブラゼミの場合、一年近い卵の期間を過ぎると小さな幼虫が出てきます。
幼虫はすぐに幹を降り、地中へもぐります。
地中では根から樹液を吸って大きくなり、4回脱皮して5齢幼虫になると、
地上から這い出て幹にのぼり、脱皮して成虫になります。
幼虫の期間は2〜5年。
つまり、卵が生まれてから成虫になるまでに最大6年かかっていることになります。

アメリカに生息するセミには13年とか、17年という長い期間を地中で過ごす種もいます。
その名も「シュウサンネンゼミ」及び「ジュウシチネンゼミ」。
もっとも、いくつかの地域で別々に大発生するので、17年に1度しか見られないということでは無いようです。

では、成虫はすぐ死ぬのかというと、それがそうでもないらしいのです。
飼育してみると、成虫は1〜2ヶ月ほど生きていたとの事。
これはカブトムシなどの夏の昆虫とほぼ同じです。
捕食されたりしない限り、自然界でも同程度に生きるといわれています。

では何故1週間といわれているのでしょうか?
一説には素人の飼育ではセミは飼えないからだそう。
木の樹液を必要とするセミを長期飼育するのは非常に難しく、1週間〜2週間程度で餓死してしまうのです。

色々なセミ

いまは写真が少ないのですが、見つけ次第追加していきます。
「ミンミンゼミ」「ニイニイゼミ」「ツクツクボウシ」など、日本には馴染み深いセミの仲間が沢山いますね。

クマゼミ

南方系の大きなセミです。
羽化したての成虫には背中に金色の繊毛があります。
樹木の移入などで
関東地方でも生息数を増やしているのだとか。

私自身の感覚からすると、
ここ10年で名古屋ではアブラゼミが増えて
クマゼミは減ったように感じます。

アブラゼミ

鳴き声が油で揚げる音に似ていることから
「アブラゼミ」という名前がつきました。

最大の特徴は、その茶色い翅(はね)です。
木の幹に擬態できる優れものですが、
実は翅全体が色づいているセミは
世界的にみても珍しいのだとか。