ツマグロヒョウモン

元々は南方の温暖な地域に住むチョウです。
非常に鮮やかな色彩をしており、名前にもある“ヒョウモン”とは、ずばり“ヒョウ柄”のことです。
雌は更に青い紋様が入って、より美しい姿になります。

メスの写真が無くてごめんなさい!

日本では関西より南の地方では普通に見られる種類ですが、関東方面ではあまり見かけないチョウでした。
近年の温暖化の影響を受けているといわれており、今では関東でも繁殖しているようです。

派手好き?

ツマグロヒョウモンは大阪のおばちゃんもびっくりの、派手なヒョウ柄の体をしています。

普通、目立つ色合いの生き物は敵に見つかりやすくなり、格好の餌食になってしまいます。
しかし、中にはあえて思いっきり派手な色の体の者もおり、
これには「俺には毒があるぞ」というアピールの意味が含まれていたりします。

ツマグロヒョウモンには毒がありませんが、
実は、似たような色合いの“カバマダラ”という毒蝶のマネをしているようなのです。
別の危険生物の擬態をすることで敵をだまし、
食べられる確率を減らしているというわけです。

でも、おかしなことがあります。

ツマグロヒョウモンは園芸用のパンジーなどに付いていることや、
また温暖化の影響もあって生息地が拡大しているチョウのひとつです。
一方で擬態元のカバマダラは北方への進出はしていないのです。

周りに毒蝶がいないのであれば、何のマネをしているのかわかってもらえません。
つまり、本州においてはツマグロヒョウモンの擬態は全く役に立っていない(笑)


まあ、派手な色合いなので、それだけで警告色と受け取ってもらえるかもしれません。
じゃ無きゃただの目立ちたがり屋の命知らずです(笑)

っていうか絶対派手好き

園芸ショップで買ってきたパンジーやダリアを育てていたら、
得体の知れない幼虫が湧いて驚いた方も多いのでは無いでしょうか?
その幼虫がこちら↓↓

どうですか?赤くて、黒くて、トゲトゲで、可愛いでしょう??

なんとも毒々しい色合いですが、実際は無毒です。
これも毒虫に擬態しているのだと考えられます。
安心して触ってください

なお、この棘は毛のようにふわふわして、なでると気持ちいいです。
ただ、昆虫の幼虫にとって、人間の手の温度はとても熱く感じるらしいです。
あまり長時間手に乗せたり、触るのは止めたほうがいいでしょう。

さなぎになると、今度は黒い体に金色のピカピカした飾りをつけた姿になります。
金色の部分は、本当に金属みたいに光をまばゆく反射します。
これはタテハチョウ科のさなぎに共通する特徴のようですが、
なんだか幼虫のころから成虫にいたるまで、みんな派手。

もう、擬態とかそういうのではなく、単に派手好きなのでは?
などと疑ってしまいますね。