ニセクロナマコ


クロナマコに良く似た姿で、名前はそのままニセクロナマコです。
よく似ているため“クロナマコ”の名前で観賞魚ショップで売られていることもあります。

両種の見分けは容易で、体に砂粒をびっしりつけているのがクロナマコ、
そのまま真っ黒なのが本物のニセクロナマコです。

毒に要注意

ニセクロナマコは砂で自分を隠すこともせず、白い砂地に真っ黒な姿でとても目立ちます。
砂で身を隠しているクロナマコとは、対照的です。
それは、彼らがクロナマコとは異なり特に身を隠す必要がないからなのです。

というのも、ニセクロナマコはナマコの中でも強い毒性を持つ種だからです。

ナマコはいじめられると体から白い帯状の物体(キュビエ器官)を吐き出して身を守ります。
ニセクロナマコの場合はキュビエ器官や体そのものに
ホロスリン(サポニンという物質の一種)という毒を持ちます。
人間が触れてもあまり効果はありませんが、水の中に住むいきものにとっては強力に作用します。

触るだけならば問題ないので、水族館などではタッチングコーナーに使っているところもあります。
ただし食べるのは避けた方がいいかもしれません。

また、前述のように観賞魚ショップで売られていることもあります。
これは、水槽の砂を食べてきれいにしてくれるからです。
本物のクロナマコよりも良く働いてくれるようですが、
ニセクロナマコが死ぬと毒が水槽に溶け出してしまうので注意が必要です。