ガンガゼ

非常に長い棘を持つウニの仲間で、激しい痛みを伴う毒を持つので注意が必要です。

多くのウニは毒を持たず、棘も言うほど鋭くありません。
が、ガンガゼは非常に鋭い棘を持っていて、人間の皮膚など簡単に突き破ります。
加えて棘自体の強度は脆く、抜こうとした拍子に毒棘が折れて皮膚に刺さったままになることも。
しかも棘の表面には微細な逆刺(かえり)があり、抜けにくくなっていると言う親切設計。
決して触らないようにしましょう。

オレンジ色に光る目…?

ガンガゼの上面には鮮やかなオレンジ色をした目玉のようなふくらみがあります。
非常に不気味で、同時に妖艶でカッコいいこの目玉、実は目玉ではなくて肛門です。お尻の穴です。
かっこよくもなんともなくなりましたね。

体の下面が口になっていて、藻類や底に沈んでいる有機物を食べています。
体を通り抜けた食べものが、肛門から出て行くわけです。

口の周りでは「管足」と呼ばれる器官がうごめいています。
これは棘皮動物で血管の役割をする「水管」に繋がっている組織で、
自在に伸縮して足の役割を果たします。
ガンガゼの動くスピードは他のウニに比べると速いようです。

ガンガゼ天国

ガンガゼは我々人間や、大きな魚にとっては脅威ですが、小さな魚にとっては救世主です。

ヘコアユは縦向きに泳ぐ変わった魚ですが、幼魚のときはガンガゼの細い棘の隙間へ身を隠し、
天敵から逃れる手段に利用しています。

しかし、ガンガゼにも天敵はいます。
一部の魚はガンガゼの針をくわえてひっくり返し、棘の無い口の部分をこじ開けて食べてしまいます。

そのためガンガゼは広い砂地ではガンガゼ同士が群を成して固まったり、
岩地では岩のくぼみに隠れてひっくり返されないようにしています。
岩隠子とかいてガンガゼと読むのはそのためです。