アフリカマイマイ

日本では沖縄や小笠原諸島で爆殖しているカタツムリの一種です。
世界の侵略的外来生物ワースト100にもランクインしている危険生物!

カタツムリは元々性別がなく、雌雄同体です。
1匹だけでは卵は作れませんが、
2匹が出会うとお互いの精子を交換し合って、両方が卵を生むことが出来ます。
その地域に同じ種類が2匹いれば繁殖できてしまうのです。

アフリカマイマイの場合、一度に100〜1000個の卵を産みます。
一回交尾すると、相手の精子をある程度保存できるので、その後は交尾無しで生み続けられます。
産卵の間隔は10日ほど。
単純に計算すると1匹あたり年に3万個の卵を産むのです。
これは恐るべき数字です。

アフリカマイマイが侵入した地域では、他のカタツムリが絶滅してしまう危険があります。

死に至る病

沖縄に旅行に出かけると、
茂みの中や道路脇などでアフリカマイマイを見つけることができます。
時には自動車に轢かれてグロテスクな姿を晒していたり(ぅゎ)、
オカヤドカリのヤドとして頻繁に利用されていたりします。
それほど沖縄ではポピュラーなカタツムリになっています。

旅先でこんな↓↓大きなカタツムリを見かけたら、
人によっては興味を持って近づいてしまうでしょう。

修学旅行生が度胸試しに触ってみたり、子供は面白がって遊んでしまうかもしれません。

しかし。
アフリカマイマイには絶対に触ってはいけません

なぜかと言えば、広東住血線虫という大変危険な寄生虫の中間宿主だからです。
この寄生虫に人間が感染すると、脳炎を発症して最悪、死にます

本体に直接触れるのはもちろん、這った跡に触れるのもNGです。
どうです皆さん、怖いでしょう?

アフリカマイマイの悲劇

こんなに危険なアフリカマイマイは、どうして沖縄で殖えてしまったのでしょうか。

実は、食用として仕入れたのがきっかけなのです。
爆発的な繁殖力を持つアフリカマイマイは、手軽に養殖できる食材でした。
もちろん厳重に管理され、隔離施設で養殖は行われていました。

悲劇は、その養殖場所であった沖縄で起こりました。

太平洋戦争です。
沖縄本島は戦場となり、ありとあらゆる施設が破壊されていきました。
その中にアフリカマイマイの養殖場があったのです。
まんまと逃げ出した巨大カタツムリはその後、
沖縄の生態系を侵食し、破壊していくことになります。


ところでこのアフリカマイマイ、今でも食材として売られています。

“アフリカマイマイ”という名前は当然使われていません。
…「エスカルゴ」という名前で販売されています。

安物のエスカルゴはエスカルゴではなく本種であることが多いので、
一度、召し上がってみてはいかがでしょうか?(笑)