トド
ネコ目 クマ下目 アザラシ上科 アシカ科 トド属
トドはアシカの仲間で最も大きな種で、その大きさはセイウチよりわずかに小さいくらい。
オスは体長が3m近くにもなり、上半身が脂肪で大きく発達、タテガミが生じます。
額も突出してくるようです。
メスはこれといった特徴はないものの、明らかにほかのアシカ類よりは大きいので見分けられます。
(本当は骨格等にも差異があるのでしょうけど、僕にはわかりません、すいません)
2014.2 南知多ビーチランド by 南波瑛人
トドは体が大きく、近くで見ると迫力満点。
どことなく顔がクマに似ているのは、アシカの仲間がクマやイタチに近いグループだからです。
怖い印象を受けますが、訓練された個体ではショーを行いこともあります。
目がギョロッとしているので怖いのですが、それも愛嬌…?
他種との見分け
トドを含めて海獣と呼ばれる仲間は、普段あまり馴染みが薄く、
またそれぞれの容姿も似ているので、よくほかの種と間違えられます。
特にトドは、「名は売れているのに姿が間違えられる動物」の代表です。
多分10人中5人くらいは「トド」と聞いて、なぜか「セイウチ」を思い浮かべます。
某のど飴のキャラクターも、名前はトドなのに姿はセイウチです(何)
(↑セイウチに憧れているという設定だそうですが、後付けっぽい…)
…なんのキャラクターかわからない人は検索してね。
(画像は合成) 元画像:2014.2 愛知・南知多ビーチランド by 南波瑛人
さて、そのトドですが、まずそのサイズ!明らかにアシカより大きい。
水族館でよく見かけるカリフォルニアアシカと比較すると、
体長にして約1.5倍、体重にして約3倍もあります。
(最大サイズ同士での比較)
体は茶褐色〜黒っぽく見え、セイウチとは違って牙が外に伸びていきません。
アザラシ類とアシカ類ではヒレの形状が違うので、見分けは容易かと思います。
アシカ類であるトドは、陸上では上半身を持ち上げて、後脚を使って地上を歩くことができます。
こんなのがそばに歩いてきたら、ちょっと怖い…
保護か、駆除か?
世界的に個体数が減っているトド。
その原因は、主に人間の活動にあります。
護岸工事などで上陸できる岸が限られてしまい、
また人間が魚を大量に獲ってしまうので、食べるものが減ってしまいました。
革や肉を目的とした狩猟も数が減った原因の一つです。
これはトド以外の海獣の多くが数を減らしている理由と同じです。
世界的に海獣を保護しようという動きがありますが、漁民にとっては魚資源を奪い合う商売敵でもあり、
単純に保護をすればそれで良い、という問題では無くなってきています。
個人的な意見ですが、きちんと頭数管理し、安定した生息環境があるのであれば、
一定数間引いても問題はないと思われますが、そうでないのなら駆除すべきではないですよね。
魚資源の枯渇が叫ばれる昨今、漁業体系の見直しも必要なのかもしれません。
人間とトド、双方の負担が偏らないような対策が待たれます。
肉!
日本ではトドを駆除して肉として利用することもあります。
ただ駆除するだけでなく、その恵みをちゃんと最後まで利用しようとするのはさすが日本人。
さて、問題の肉なのですが、やはり臭みがあるようです。
じっくりと煮込んでやることで臭いを消すことができ、豚肉に近い味わいになるそうです。
一度食べてみたいものです。